キャバリアは、素直で賢い性格の持ち主で、
大変しつけのしやすい犬種です。
場の空気を読む力も優れているので、注意する時は、
大きな声で叱りつけるのではなく、ゆっくり語りかけるように
言い聞かせることでちゃんと理解できます。
それくらい頭がよく、物覚えも早いのです。
人とのふれあいを大変好むため、
「
スキンシップ+”オーバーに褒めながら”」を意識してください。
そうすることで、キャバリアの温厚で優しい性格を損なうことなく、
むしろその長所をより伸ばす結果になるでしょう。
とはいっても、中には神経質だったり警戒心が強い子もいます。
その時は、やはり他の犬種と同様、
なるべく早めにしつけを始めた方が良いでしょう。
本来は、明るく社交的な性格ですので、小さな頃からいろいろな人や、
犬とのふれ合いを繰り返すことで、キャバリア本来の性格が現れてくるはずです。
そんな大変物わかりのいいキャバリアですが、気をつけたいのは「
拾い食い」です。
ふだんから食欲旺盛なので、瞬間的に道端に落ちているものを、
口に入れてしまうことがあります。
拾い食いに関しては、道端に何が落ちているかわかりませんので
しっかりしつけるようにしていきましょう。
1・ブラッシング
キャバリアの被毛は絹糸に例えられることで、
一見手入れが大変そうなイメージですが、実際はとっても簡単です。
子犬の時期は毛足が短いので、軽いブラッシングだけで十分です。
キャバリアの美しい被毛は3~4年かけて完成します。
1年を過ぎたあたりから毛足にもつれなどが出てきますので、
その頃から毎日のブラッシングを心がけましょう。
耳・お腹の内側・股部分などは毛玉になりやすいので、
日頃からチェックするようにしましょう。
マッサージの意味もあるので、スキンシップの一環として
楽しみながら行うと良いですね。
2.トリミング、シャンプー、肛門腺絞り
基本的に自然のままでカットを必要としない犬種です。
難しいことが何一つないので、初心者さんでも一通りのお手入れを
自分でやることが出来ます。
しかし、ご自分でやるのが大変な場合は、シャンプー、つめ切り、
肛門腺絞りともにトリミングサロンに依頼するのが一番簡単です。
この場合、1ヶ月~1.5ヶ月に1回は連れて行ってあげるようにしてください。
ご自分でやる場合でも、シャンプーは月に1~2回が目安です。
シャンプーのしすぎはかえって毛や肌を傷めてしまうので注意しましょう。
(シャンプーやリンスは必ず犬用のものを使用するようにしてください。)
ぬるめのシャワーを用い、水圧を低くして足先からゆっくり洗っていきます。
洗う順番は、足→おしり→体→頭の順がオーソドックスです。
(目や耳のなかに水が入らないように十分注意してあげてください。)
おしりを洗う際に、ついでに肛門腺も絞ってあげるのがおすすめです。
定期的に絞ってあげないと炎症を起こす場合があります。
最後に、さっきと逆の順番で、頭→体→おしり→足先の順に洗い流していきます。
すすぎ残しがないようにしっかりと流して、最後はドライヤーで完全に乾かします。
ドライヤー中に空気を入れながら、ブラッシングすると
ふんわりとした毛に仕上がります。
またキャバリアの足の飾り毛は、トリミングの必要はないとされています。
しかし、パッド(肉球)の毛は、室内での滑り防止のためにも、
カットしてもらうようにしましょう。
3・耳のお手入れ
1~2週間に1度の目安でお手入れしてあげます。
イヤーローションを耳に適量注入し、付け根を揉みこんで汚れを
浮き出させたあと、ガーゼなどで拭き取ります。
細かいところは綿棒で拭き取るとよいでしょう。
4・目のお手入れ
いつもきれいな瞳を保つためにも、定期的な目のお手入れが必要です。
キャバリアは目が少し前に飛び出すようになっているので、
ごみなどが入りやすく、涙や目ヤニが出やすい犬種です。
目ヤニなどの分泌物を放置すると、眼の病気の原因となりますので注意しましょう。
目ヤニは、脱脂綿やガーゼなどをぬるま湯でぬらして拭き取ってあげます。
涙が多い時はこまめに拭き、涙やけがひどい場合は、
専用のパウダーやローションを使うと効果的です。
ごみが入った場合は、目薬を挿してごみを洗い流し、
ごみが取れそうな場合は、ガーゼで優しく取ってあげましょう。
5・爪のお手入れ
毎日のお散歩でたくさん歩いていれば、アスファルトで削れ、
定期的にトリミングで一緒に切ってもらうぐらいで十分です。
しかし、
親爪だけは地面に着かないためどんどん伸びてきてしまいます。
親爪があるワンちゃんはトリミングの時以外でも、
伸びていないか確認してあげる必要があります。
犬はつめのなかに
神経と
血管があり、放っておくと爪と一緒に伸びてきます。
この状態でつめ切りをすると、キャンっと悲鳴をあげ、血も出てきます。
また、つめを伸ばしたままにしておくと、肉球にくい込み、
歩くごとに痛みを感じるようになってしまいます。
慣れないうちは、トリミングの際に一緒につめもカットしてもらうか、
健康診断兼ねて、動物病院にてカットしてもらうというのも一つの手です。
◎食事の回数・量
回数は、成犬で1日2回が目安です。
量の目安ですが、キャバリアの場合、他の犬種と違って、
食べ過ぎた場合に便がゆるくなる、といった症状が出にくい体質です。
こういった場合、与える量に悩んでしまいますが、ドッグフードに記載されている量を
第一の目安にし、毎日、体重・体型のチェックをしつつ、様子を見ていきましょう。
一度肥満になると、元に戻るのが大変になるばかりでなく、健康にも悪影響がです。
食事量の管理はしっかりと行っていきましょう。
◎運動量
キャバリアは、祖先に鳥猟犬を持っているだけあって、活発で運動が大好きです。
室内で過ごすだけでも不満とは思わない我慢強い性格ですが、
やはり外に連れ出してあげると大喜びします。
大型犬のように長時間は必要ありませんが、
1回につき30分ほど散歩してあげるとよいでしょう。
また、外出に限らず、室内での自由遊びも大好きです。
スキンシップもかねて、一緒に遊んであげるようにしましょう。
○僧帽弁閉鎖不全症(MVD)
(症状)
コホコホと咳き込んだり、呼吸が荒くなります。
また、心臓が大きくなるにつれ血管を圧迫し、興奮したり、
軽く運動をしただけで貧血状態となり、倒れてしまうこともあります。
(対策)
親にこの病気を持っていると、かなりの確立で遺伝すると言われています。
6歳を過ぎてからの発症率が90%以上にも上ると言われ、
残念ながら、現段階の医学では、この病気の完治は不可能です。
しかし、早期発見ができれば、投薬によって症状を遅らせることが
できますので、定期的に健康診断を行うようにしましょう。
また、食事や運動制限など、生活上の管理をしていくことで、
キャバリアの寿命を長くする手助けにもなります。
現に、この病気を持っていても、症状がさほど出ずに天寿を全うできる子もいます。
あまり悲観的にならず、ゆったりとした気持ちで付き合っていくことが、
飼い主にとってもワンちゃんにとっても一番の治療になるでしょう。
○膝蓋骨脱臼
(症状)
痛みや腫れが出て、脱臼した足をひきずったり、地面から
持ち上げたりして歩くようになります。
老犬になるとひざの靭帯が弱くなり、脱臼によって靭帯を痛めている場合は
切れてしまうことがあります。
(対策)
フローリングやビニール素材のフロアなどの、滑りやすい場所での激しい運動や
急な階段の上り下りなどが原因で、負担がかかり外れやすくなってしまいます。
床の材質を変えるかマットを敷くなどして、できるだけ滑らないようにしてあげましょう。
また、体重が重くなると足に負担がかかります。
キャバリアは食欲旺盛な犬種でもあるので、
肥満にならないよう食事面でも気を付けてあげましょう。
◎繁殖
キャバリアには4種の毛色があるので、繁殖を希望する場合は、
毛色による組み合わせに注意が必要です。
4種の毛色は、白のほかに色が入る”パーティーカラー(ブレンハイムとトライカラー)”、
1色で全体に色が入る”ホールカラー(ブラックタンとルビー)”の二つのグループに分けられます。
交配は必ずそれぞれのグループ内で組み合わせるようにしてください。
二つのグループ間による交配は、毛質に問題が生じる可能性があります。
また、交配の際には、遺伝的疾患なども考慮して掛け合わせなければなりません。
せっかくこの世に生を受けて生まれてきた子犬たち・・・
私たち人間の、回避できるかもしれなかった失敗によって、
大きなハンディを与えてしまうことは、絶対にあってはならないことです。
また、繁殖とは、確固たる知識と覚悟、生まれてきた子犬たちのその後の生活計画を
しっかり立てられる人のみが許される行為です。
可愛い我が子の子供が欲しいという方は、たくさんの勉強と、
我が子の命に係ることだという覚悟を持って、出産させるようにしましょう。